糖鎖の栄養素としての意味合いについて
糖鎖とは、一般的には糖タンパクとか糖脂質のように、糖質単独ではなくタンパク質や脂質に結合したものを指します。
これは、生体内で様々な重要な働きをしていることが分かってきています。
となると、栄養素として必要量をしっかりと摂取することが求められるわけですが、ここにいろいろな問題があります。
まず、どんな糖がどれくらい必要なのかということがほとんど分かっていません。
糖鎖に含まれる糖には、ブドウ糖やガラクトースといったある程度馴染みのあるものから、フコースやマンノース、さらにはアセチルガラクトサミンなどといった、聞いたこともないし聞いても糖ともあまり思えないようなものさえありますが、必要量がほとんど何も分からないのです。
また、ブドウ糖やガラクトースはともかく、その他については、食品中にどれくらい含まれているのかというデータもまずありません。
普通の食事で摂取しようとしても情報がないので無理があるわけです。
さらに話を難しくしている点は、仮に食品中に含まれていたとしても、ヒトがそれを吸収できるかはまた別問題ということです。
上に書いた中に既にその例が含まれているのですが、例えばマンノースはグルコマンナンという多糖の構成成分であり、グルコマンナンはこんにゃくに含まれます。
ではこんにゃくを食べればマンノースを摂れるかというと、こんにゃくと言われた時点でおそらく分かるでしょうがヒトはこれを消化できず、従って吸収もできないのです。